クハ489-501保存のモデル
- 2017/09/28
- 23:38
下のリンクにもございますが、今朝の北國新聞朝刊および、ヤフーオンラインにて、クラウドファンディング募集の記事を掲載していただきました。 この場を借りましてお礼申しあげます。
北國新聞朝刊記事に関連して
上記リンクでも少し細かく鉄道保存の矛盾点を記載していますが、鉄道車両の保存に屋根が居るかどうかは、その保存方法如何も重要なファクターではないかと思うのです。
「管理しない」「再塗装しない」「本体の保存にお金を掛けない」代償に屋根を1000万円で建設するのは、お金が勿体ないと言わざるを得ません。ましてや保存車両はマニアの私物ではありませんし、税金が投入されているため貨幣価値ではなく公有財産です。
付けてほしいのなら、自分でお金を出して付ければ?と他方から指摘される話になり、全くの水掛け論です。 何もこの場でするものではないでしょう。
ですから当会は、小松市に対して、「屋根にお金を掛けるくらいならもう1両展示しましょう」と申し上げ、実際に今、水面下で実働していただいています。 口外出来るようになる為には、このプロジェクトの成功が小松市からの条件になっているので、是非成功しなければならないわけですが、2両目も大変魅力的な車両かつ、魅力をアップさせる展示方法を検討しています。 そんな夢が無いと、鉄道車両は展示する意味がありません。
以下に触れる写真は全て、5年前にドイツを視察した際に目から鱗が落ちた展示車両達です。
根本的に日本とは着想が違いますが、全く同じ着想で実働している場所が、日本に1ヶ所だけあります。
日本ナショナルトラスト=大井川鐵道です。
この話はまた別の機会に致します。

ベルリンのドイツ技術博物館に展示されている鉱山用機関車です。
日本の鉄道マニアなら、「ボロボロ」「綺麗にしろよ」と文句言われるレベルです。
では、この機関車がピカピカツヤツヤで展示されていたら、歴史や時代は語れるでしょうか?
ヨーロッパでは、他の様々な芸術作品と同様に、建築や乗り物も、現役当時又は、古いまま使うという文化があります。
日本で古民家というとせいぜい大正時代か明治時代、100年しか遡れませんが、ドイツは300年、400年がざらですので、このような展示に何ら違和感が無いのです。
むしろこれから100年後、200年後に、ようやくボロボロの状態で展示し続ける真意が、日本人にも分かるでしょう?という問いかけに感じます。

で、日本では陸蒸気が走り始めた頃の機関車が、当博物館では煤けた姿のまま展示されています。
貴重な機関車であることはドイツ人もちゃんと理解しています。 要は現役時代のまま展示すること=無駄を省いただけなのですが、これを見た瞬間、その人はタイムスリップするのです。 多分日本なら「〇〇文化財」に指定したがる事でしょう。

むしろピカピカにしない徹底ぶりが後世に語る上で大変重要な国民性を伴うことがあります。 この貨車は、第二次世界大戦で強制収容所へユダヤ人を連行した車両そのものです。
ドイツは敗戦を美化せず、その後の教育にも直視して、独自の進化と現在のエネルギー政策や環境対策など、日本でさえ真似できない自制をした上で、再び先進国家となりました。
車内にも入る事が出来まして、アウシュビッツをはじめ多くのナチス時代の歴史をつまびらかにして、鉄道を介して歴史を伝えてくれていました。

ブロッケン山観光の起点、ヴェルニゲローデには、メーターゲージの「ハルツ狭軌鉄道」があり、保存車両も沢山屋外に展示されています。
といっても、どこからどこまで保存車両かもわからないくらい、新車と言えるものはありません。 この鉄道そのものが蒸気機関車がメインの観光鉄道であり、ちゃんと貨物列車も運行されている現役路線だからです。
中でも、標準軌サイズの貨車や客車を運搬する台車があって、台車には標準軌レールが橋げたのようにオフセットされています。 これがドイツの常識だとすれば、日本で開発が頓挫した「トレイン オン トレイン」は何だったんでしょう?

物持ちが良いとしか言いようがない、保存車両達です。 産業観光という名前を付けずとも、当地には毎週土曜日に有料の見学ツアーがあり、このような駅構内や、蒸気機関車の整備工場を見学する事が出来ます。
クハ489-501の展示活用のお手本、というより理想が、このヴェルニゲローデです。
ハルツ狭軌鉄道には「アブト」という路線があります。
日本に輸入した際に「アプト式」と呼ばれるラック軌道を始めて採用した地が、この地域の急勾配区間だという事です。
碓氷峠鉄道文化むらも、奇しくも「日本のヴェルニゲローデ」と言えるかもしれません。

ハルツ狭軌鉄道の起点では、ゆうに100年前の機関車と客車が、観光用に走っています。
冬場は出発を待つ客車の暖房を確保するため、ちゃんと編成に蒸気暖房管が繋がっています。
駅や周囲の雰囲気もそうですが、匂いや乗客にさえ、歴史をたたえる観光鉄道の真髄を体感出来ます。
日本の観光列車では、ヨーロッパの鉄道を真似ようとしても、歴史の重みが違うのは如何ともしがたいです。
ですがボンネット型特急電車は、そんなドイツをはじめヨーロッパの近代高速鉄道の技術やデザインに大きな影響を受けて設計開発された車両であることをリスペクトして、ドイツ同様に屋外で展示する事にはある種のこだわりがあるのです。
北國新聞朝刊記事に関連して
上記リンクでも少し細かく鉄道保存の矛盾点を記載していますが、鉄道車両の保存に屋根が居るかどうかは、その保存方法如何も重要なファクターではないかと思うのです。
「管理しない」「再塗装しない」「本体の保存にお金を掛けない」代償に屋根を1000万円で建設するのは、お金が勿体ないと言わざるを得ません。ましてや保存車両はマニアの私物ではありませんし、税金が投入されているため貨幣価値ではなく公有財産です。
付けてほしいのなら、自分でお金を出して付ければ?と他方から指摘される話になり、全くの水掛け論です。 何もこの場でするものではないでしょう。
ですから当会は、小松市に対して、「屋根にお金を掛けるくらいならもう1両展示しましょう」と申し上げ、実際に今、水面下で実働していただいています。 口外出来るようになる為には、このプロジェクトの成功が小松市からの条件になっているので、是非成功しなければならないわけですが、2両目も大変魅力的な車両かつ、魅力をアップさせる展示方法を検討しています。 そんな夢が無いと、鉄道車両は展示する意味がありません。
以下に触れる写真は全て、5年前にドイツを視察した際に目から鱗が落ちた展示車両達です。
根本的に日本とは着想が違いますが、全く同じ着想で実働している場所が、日本に1ヶ所だけあります。
日本ナショナルトラスト=大井川鐵道です。
この話はまた別の機会に致します。

ベルリンのドイツ技術博物館に展示されている鉱山用機関車です。
日本の鉄道マニアなら、「ボロボロ」「綺麗にしろよ」と文句言われるレベルです。
では、この機関車がピカピカツヤツヤで展示されていたら、歴史や時代は語れるでしょうか?
ヨーロッパでは、他の様々な芸術作品と同様に、建築や乗り物も、現役当時又は、古いまま使うという文化があります。
日本で古民家というとせいぜい大正時代か明治時代、100年しか遡れませんが、ドイツは300年、400年がざらですので、このような展示に何ら違和感が無いのです。
むしろこれから100年後、200年後に、ようやくボロボロの状態で展示し続ける真意が、日本人にも分かるでしょう?という問いかけに感じます。

で、日本では陸蒸気が走り始めた頃の機関車が、当博物館では煤けた姿のまま展示されています。
貴重な機関車であることはドイツ人もちゃんと理解しています。 要は現役時代のまま展示すること=無駄を省いただけなのですが、これを見た瞬間、その人はタイムスリップするのです。 多分日本なら「〇〇文化財」に指定したがる事でしょう。

むしろピカピカにしない徹底ぶりが後世に語る上で大変重要な国民性を伴うことがあります。 この貨車は、第二次世界大戦で強制収容所へユダヤ人を連行した車両そのものです。
ドイツは敗戦を美化せず、その後の教育にも直視して、独自の進化と現在のエネルギー政策や環境対策など、日本でさえ真似できない自制をした上で、再び先進国家となりました。
車内にも入る事が出来まして、アウシュビッツをはじめ多くのナチス時代の歴史をつまびらかにして、鉄道を介して歴史を伝えてくれていました。

ブロッケン山観光の起点、ヴェルニゲローデには、メーターゲージの「ハルツ狭軌鉄道」があり、保存車両も沢山屋外に展示されています。
といっても、どこからどこまで保存車両かもわからないくらい、新車と言えるものはありません。 この鉄道そのものが蒸気機関車がメインの観光鉄道であり、ちゃんと貨物列車も運行されている現役路線だからです。
中でも、標準軌サイズの貨車や客車を運搬する台車があって、台車には標準軌レールが橋げたのようにオフセットされています。 これがドイツの常識だとすれば、日本で開発が頓挫した「トレイン オン トレイン」は何だったんでしょう?

物持ちが良いとしか言いようがない、保存車両達です。 産業観光という名前を付けずとも、当地には毎週土曜日に有料の見学ツアーがあり、このような駅構内や、蒸気機関車の整備工場を見学する事が出来ます。
クハ489-501の展示活用のお手本、というより理想が、このヴェルニゲローデです。
ハルツ狭軌鉄道には「アブト」という路線があります。
日本に輸入した際に「アプト式」と呼ばれるラック軌道を始めて採用した地が、この地域の急勾配区間だという事です。
碓氷峠鉄道文化むらも、奇しくも「日本のヴェルニゲローデ」と言えるかもしれません。

ハルツ狭軌鉄道の起点では、ゆうに100年前の機関車と客車が、観光用に走っています。
冬場は出発を待つ客車の暖房を確保するため、ちゃんと編成に蒸気暖房管が繋がっています。
駅や周囲の雰囲気もそうですが、匂いや乗客にさえ、歴史をたたえる観光鉄道の真髄を体感出来ます。
日本の観光列車では、ヨーロッパの鉄道を真似ようとしても、歴史の重みが違うのは如何ともしがたいです。
ですがボンネット型特急電車は、そんなドイツをはじめヨーロッパの近代高速鉄道の技術やデザインに大きな影響を受けて設計開発された車両であることをリスペクトして、ドイツ同様に屋外で展示する事にはある種のこだわりがあるのです。
スポンサーサイト